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ユートピア (本) : ウィキペディア日本語版
ユートピア (本)

ユートピア』(正式名: ''Libellus vere aureus, nec minus salutaris quam festivus, de optimo rei publicae statu deque nova insula Utopia'' )は、イングランドトマス・モアによる1516年の著作〔訳書は『ユートピア』沢田昭夫訳(中公文庫、改版1993年)〕。
タイトルは直訳すれば「共和国の最高の州の、そしてユートピア新島の、楽しいのと同様に有益な、真実の金の小著」となるが、伝統的には『社会の最善政体とユートピア新島についての楽しく有益な小著』と訳される〔http://books.google.com/books?id=rVwLAAAAIAAJ&printsec=titlepage&source=gbs_navlinks_s#v=onepage&q=&f=false〕(タイトルを参照)。『ユートピア』はラテン語で書かれており、その内容は主に、虚構の島の社会、宗教、社会的政治的習慣について述べた枠物語である。
現代人が「ユートピア」という言葉の響きから受けるイメージにもかかわらず、トマス・モアがこの本で語った社会とは、実際には決して「完全な社会」ではないと、広く受け止められている。むしろ、想像上の土地の通常とは違った政治的考えと、現実世界での混沌とした政策とを対比して、ヨーロッパの社会問題について議論するための、政策要綱とすることをモアは望んでいた。
==タイトル==
タイトルの「De optimo rei publicae statu deque nova insula Utopia」()を直訳すると、「共和国の最高の州の、そして新しい島ユートピアの」となる。このラテン語は様々に翻訳され、「共和国の最高の州、そしてユートピアの新しい島で」「共和国と新しい島ユートピアの最上の州について」「連邦の最高の州とユートピアの新しい島で」「共和国の最高の種類で、そしてユートピアの新しい島について」「連邦とユートピアの新しい島の最高の州について」などがある。現代はさらに長く、『 Libellus vere aureus, nec minus salutaris quam festivus, de optimo rei publicae statu deque nova insula Utopia 』を翻訳すれば、「楽しいのと同様に有益な、共和国の最高の州の、そして新しい島ユートピアの、真実の金の小さな本」となる。
「ユートピア」(ラテン語: Ūtopiā )の語は、 ギリシア語の「非 ou 」( )と「場所 topos 」( )、地名学によく見られる接尾辞「 -iā 」( )から成る。
つまり「 Outopía 」( 、ラテン語「 Ūtopia 」、第2音節を強調)とは、「どこでもない場所」という意味である。初期近代英語では「ユートピア」を「 Utopie 」と綴り、今日のいくつかの版では「 Utopy 」となっている。
英語では、「 Utopia 」は正確には「 Eutopia 」(後者はギリシア語で Eutopiā 、「よい場所」の意。「よい」の意の接頭辞「 eu- のため、「 」の英語発音で混乱することになった)と発音する〔See http://www.phon.ucl.ac.uk/home/wells/blog.htm.〕。
これについてはモア自身が著作『 Wherfore not Utopie, but rather rightely my name is Eutopie, a place of felicitie 』の付録で述べている〔''More’s Utopia: The English Translation thereof by Raphe Robynson.'' 1556年第2版。"Eutopism" 〕。
1つの解釈として、ユートピアがある種の完全社会でありうる一方で、それが実際には実現不可能であることを示唆している、という考え方がある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ユートピア (本)」の詳細全文を読む



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